ディノアゴラ
恐竜、古生物にまつわる諸々その他

28 July

恐竜倶楽部、夏の沖縄旅行 その1

沖縄県立博物館・美術館恐竜倶楽部この夏の旅行は、沖縄県立博物館・美術館で開催中の特別展見学とシンポジウム聴講でした。参加者は9名。それぞれ現地に集合。
私は前日に沖縄入りしたので、初日は首里城見学など観光。メインの26日は朝から博物館へ。昨年、首里城近くからおもろまち新都心に移転したばかりの建物。アメリカ中西部の先住民の住居、あるいはアフリカサハラ南部の寺院、そんな連想も沸く、特異な建築様式です。まず常設展示をしっかり見ました。自然史、考古、民俗の3分野別にまとまって展示されています。沖縄についてぐっと詳しくなったような気がします。自然史分野では、沖縄の生物種の豊富さにあらためて気づかされました。北部、中部、南部に大別される生物相に加え、島ごとの固有種も数多くあります。
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23:48:06 - dinopantheon - 1 comment - TrackBacks

06 July

古生物学会

今回、古脊椎は3日目に4セッション。丹波竜の追加標本について、兵庫人博の三枝さんの発表がトップ。朝から取材TVカメラが入った。三枝さん達が休憩室で談笑しついる姿まで撮るので、注意されていた。講演内容はおおむねこれまで発表されたもののレビュー的色あい。分類的に原始的なティタノサウルス形類であり、他のアジアで発見されたティタノサウルス形類とあわせ、その放散経路に新しい考察が加えられかもしれない。
福井県立恐竜博の柴田さんによる北谷層からの発掘成果は、2つのレイヤーから産出した竜脚類及び獣脚類について、その形質からどのような分類群に近いのか考察している。竜脚類はブラキオサウルス類に近いが後位尾椎の形が独特という。獣脚類はフクイラプトルではなく、将来が楽しみ。
科博の對比地さんによるアビミムスの胸帯、前肢、胸骨に関する新知見では、クルザーノフが記載した時にはあまり知られていなかった前肢などをその後発見された標本によりまとめたもの。クルザーノフは鳥類に近い前肢を予想していたが、実際には獣脚類の原始的な形質も残しているそうだ。
林原の石垣さんによるモンゴル上部白亜系産出鳥脚類足跡化石について。他の機会に伺ったように、砂岩の凸型足印。庭の踏み石が並んでいるよう。その産状の紹介や足跡の主はサウロロフスと考えられる事など。
北海道大学、林さんによるステゴサウルスの体骨格と皮骨の成長様式。なかなか面白い研究。成長段階の異なる数標本の皮骨、刺内部の組織を調べ、その成長過程を明らかにし、さらに皮骨や刺の用途まで及んだ。
北海道大学望月さんによる、クビナガリュウの模型実験による形と挙動の復元も意欲的なものだった。単純化した模型を実際に水槽に入れてかかる力を計測。頸部の長さや鰭の大きさと体の安定性がどう関連するのか明らかにした。
なかなか面白いものが多く、紹介し足りないがこのあたりまで。

16:15:48 - dinopantheon - No comments - TrackBacks

05 July

古生物学会

午前中は会長講演と特別講演。日頃情報を得る事もない底生有孔虫、貝形虫、渦鞭毛虫についてそれぞれ興味深い内容だった。
午後のポスターでは宮城県の唐島で発見されたマストドンサウルス類の化石についてマスコミは注目。2台のテレビカメラが入った。あとで聞くと4局、取材に入ったそうだ。そのほか、藤原さんのワニの肘関節構造、薗田さんの白山市桑島層産出のスッポン上科甲羅など。ニュースはNHK河北新報など。
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