ディノアゴラ
恐竜、古生物にまつわる諸々その他

11 November

第128回化石研究会例会

化石研究会会場今日、早稲田大学で開催された第128回化石研究会例会に行ってきました。内容は盛りだくさんです。
テーマ:日本の恐竜学最前線
(講演は質疑応答も含めてそれぞれ1時間を予定)

1:三枝春生(兵庫県立人と自然の博物館)
「兵庫県丹波市の篠山層群から脊椎動物化石の発見」
:2006年8月に兵庫県丹波市の篠山層群より発見され、2007年
2〜3月に発掘された脊椎動物化石について、現在判明していることに
ついて述べる。ほぼ関節状態の竜脚類の尾椎および血道弓、脳函の破
片、獣脚類および鳥脚類の脱落歯が確認されている。このほか、恐竜以
外の両生爬虫類化石が発見されたがまだ未同定である。

2:平山 廉(早稲田大学)
「巨大恐竜・竜脚類の古生態を類推する」
:史上最大の陸生動物でもある竜脚類の古生態については、まだ多くの
謎が残されている。特に、足跡から推定される重心の位置は、竜脚類の
ボディプランが他のいかなる四足動物とも異なる特殊な構造であったこ
とを示唆している。竜脚類の研究は、古生物の生態復元にあたって、安
易に現生の動物を当てはめるべきでないという好例であるかも知れない。

3:鈴木 茂(林原自然科学博物館)
「林原自然科学博物館 モンゴル共同調査の15年とその成
果」
:林原自然科学博物館とモンゴル科学アカデミー古生物研究センターと
の古生物学共同調査はゴビ砂漠の白亜系を中心に1993年から継続
しておこなわれている。この間の研究過程は東京有明パナソニックセン
ター内に開設した展示 施設であるダイノソアファクトリー
(2002-2006)で一般に公開した。今回の 講演では
15年間の共同調査の内容と成果を紹介する。

4:小林快次(北海道大学)
「『ダチョウ型恐竜』オルニトミムス類の進化と生態復元」
:外見がダチョウに似ており、恐竜の中で最も走るのが速かった
と 考えられているオルニトミムス類。白亜紀に繁栄した恐竜
で、その骨格化石がアジアと北米から多数発見されている。世界各地か
ら発見されて いるオルニトミムス類の紹介を通して、この恐竜
の進化過程と生活様式について述べる。

5:総合討論(30分)
[Read More!]
23:37:30 - dinopantheon - 2 comments - TrackBacks