ディノアゴラ
恐竜、古生物にまつわる諸々その他

古生物学会

今回、古脊椎は3日目に4セッション。丹波竜の追加標本について、兵庫人博の三枝さんの発表がトップ。朝から取材TVカメラが入った。三枝さん達が休憩室で談笑しついる姿まで撮るので、注意されていた。講演内容はおおむねこれまで発表されたもののレビュー的色あい。分類的に原始的なティタノサウルス形類であり、他のアジアで発見されたティタノサウルス形類とあわせ、その放散経路に新しい考察が加えられかもしれない。
福井県立恐竜博の柴田さんによる北谷層からの発掘成果は、2つのレイヤーから産出した竜脚類及び獣脚類について、その形質からどのような分類群に近いのか考察している。竜脚類はブラキオサウルス類に近いが後位尾椎の形が独特という。獣脚類はフクイラプトルではなく、将来が楽しみ。
科博の對比地さんによるアビミムスの胸帯、前肢、胸骨に関する新知見では、クルザーノフが記載した時にはあまり知られていなかった前肢などをその後発見された標本によりまとめたもの。クルザーノフは鳥類に近い前肢を予想していたが、実際には獣脚類の原始的な形質も残しているそうだ。
林原の石垣さんによるモンゴル上部白亜系産出鳥脚類足跡化石について。他の機会に伺ったように、砂岩の凸型足印。庭の踏み石が並んでいるよう。その産状の紹介や足跡の主はサウロロフスと考えられる事など。
北海道大学、林さんによるステゴサウルスの体骨格と皮骨の成長様式。なかなか面白い研究。成長段階の異なる数標本の皮骨、刺内部の組織を調べ、その成長過程を明らかにし、さらに皮骨や刺の用途まで及んだ。
北海道大学望月さんによる、クビナガリュウの模型実験による形と挙動の復元も意欲的なものだった。単純化した模型を実際に水槽に入れてかかる力を計測。頸部の長さや鰭の大きさと体の安定性がどう関連するのか明らかにした。
なかなか面白いものが多く、紹介し足りないがこのあたりまで。



posted at 16:15:48 on 07/06/08 by dinopantheon - Category: 恐竜

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