ディノアゴラ
恐竜、古生物にまつわる諸々その他

第10回荘川化石フォーラム

オオサンショウウオを接写する所十三氏荘川化石フォーラムは今年で10回を数える。恐竜倶楽部、いつものメンバーは前日2日、名古屋駅に集合。林さんの車で北上。
途中、和良でオオサンショウウオを見ようという事になった。
和良で案内を見ると、念空寺という寺に鬼の首と称する、角の生えた頭蓋骨がある。まずこれを見ようと行くと「本日法要のため拝観中止」の札。
残念ですが、オオサンショウウオ生息地を探してウロウロ。
キャンプ場で聞くとわかるというので尋ねると、既に廃屋になった管理棟。いろいろ尋ね、別の場所にオートキャンプ場があると判明。川沿いにあり、古いコンクリの堰がある。
堰の周辺でBABA2さんが学生に聞くと、コンクリートブロックの下にいた!・・・とはっきりわかるものではない。黒っぽい塊があるというもの。
やがて、それが頭部とわかる。体長1mくらいだろうか。じっと動かない。それをいいことに写真と撮りまくる者もいる。あわててすっ転び、脛を打撲する者もいる。さらに、触ってみたり、興奮!
オオサンショウウオを堪能し、高山市街へ。
オオサンショウウオを堪能した恐竜倶楽部員


日本海庄屋で懇親日本海庄屋で懇親その2一昨年宿泊した、駅近くのホテル着。ここで集まった人たち全員で懇親会。これが笑ったのだが、毎月、恐竜倶楽部例会の飲み会では日本海庄屋を利用している。ところが、今日も日本海庄屋。でも、さすがに飛騨牛朴葉焼きなど、ご当地メニューもある。
いろいろ話しははずみ、4時間ほどで一次会お開き。
コンビニで仕入れ、宿で二次会。
二次会でも話題はつきない。特筆すべきは、高らかな笑い声で有名なH先生が居眠りしなかったこと。聞けば、事前に仮眠をとったという。その手があったか!

講演をする平山廉先生
左から松岡、伊左治、所、大倉
2時すぎにお開き。そして、7時半にはホテルを出発、荘川へ。
文化ホールではまず、平山先生の公演「手取層群の化石から世界へ」。
手取層群で発見された化石、それも当然カメ化石の紹介から始まり、さらに南米アルゼンチンでの三畳紀の化石発掘や丹波竜発掘へと話題は広がる。

まとめとして、手取層群をはじめとする日本の白亜紀前期の地層は、世界的にみても化石が豊富であること。カメ類や魚類など水生動物の化石は、湖や河川などに堆積黒っぽい泥岩に含まれることが多いこと。恐竜やトカゲなど陸上生物の化石は赤っぽい色をした堆積物から見つかることが多いなどがあげられた。

さらに、会場から寄せられた質問をもとに、パネル・ディスカッション。司会進行は真鍋先生。ほかに平山先生、北九州市立自然史・歴史博物館の薮本先生、千葉県立中央博の伊左治先生、京都大学の松岡先生、漫画家の所十三先生、化石ハンターの大倉正俊さん。
パネルディスカッション

真鍋先生が高校生のころからどうして古生物研究の道に入ったかをプロローグとして話し、続いて会場から寄せられた質問に答える形でディスカッションは続く。質問は、恐竜が食べていた食物の量とか、恐竜が生きていた時代の気候や環境、絶滅について新説の有無、ミッシングリンク、定年後に化石採集を始めるにはどうしたらいいか等、いろいろある。答える人もそれぞれの分野の研究者、漫画家、化石ハンター各々の立場、経験、知識から一般人にもわかりやすい回答が示された。
左から真鍋、平山、藪本
最後に荘川、あるいは高山市というくくりで、これから化石をどうしていったらいいか、それぞれの出席者から提言が示された。
総じて言えるのは、博物館などの箱ものを作るより、このフォーラムをさらに発展させ、続けていったらどうかということだった。私もそれを願いたい。

午後は化石レプリカ教室、化石クリーニング教室、そして化石発掘教室。参加者はA、Bグループに分かれ化石発掘教室参加者は現地へ、田は文化センターでそれぞれの実習をした。化石発掘教室では、特別に許可をとって、予め重機で岩を崩したところで行うという至れり尽せりのもの。レプリカ教室では、講師に予定されていた小畑さんが都合により欠席となったが、同じ材料・方法により大倉さんが指導し、子供たちが熱心にレプリカ作成を楽しんだ。化石クリーニング教室では、下島さんが立体顕微鏡、アートナイフを使ったクリーニングを指導。いずれも、今回初めての試みだ。どの子も真剣な表情でクリーニングしていた。
化石クリーニング
レプリカ作り
新聞では毎日読売が今回のフォーラムを報道している。
posted at 07:18:53 on 08/03/08 by dinopantheon - Category: 恐竜

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コメント

sarsa wrote:

たくさんお世話になりありがとうございました。フォーラム、素晴らしい先生方がずらりで、贅沢な時間でした。
また、天然のオオサンショウウオを存分に堪能出来て本当にHappy・・・すっ転んだ事を除けば(泣)。でも、この打撲痕を『大地のkiss』と表現なさった下島さんのセンスって、すごいですよねー。
08/05/08 11:05:29

パンテオン wrote:

大地のkissマーク、消えてきたでしょうか。
これからも荘川でいい時を過ごしたいですね。
08/06/08 05:40:48

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